我々はこれまでに視神経脊髄炎関連疾患の血液脳関門破綻をきたす自己抗体GRP78抗体を同定し,その臨床的意義を明らかとしたが,本研究ではMOG抗体関連疾患での血液脳関門破綻をきたす新規自己抗体としてGRP78抗体の役割が明確となった.今後,GRP78モノクローナル抗体を作製し,BBBを操作する薬剤候補となりうるかを検討していきたい.MAG抗体はIgM抗体であるが,高分子の抗体がTNF-αにより誘導され小胞を介してBNBを貫通すること明らかとしたことは,高分子を貫通させる新たなドラッグデリバリーという観点から意義が高い.小胞介在性機序を利用した血液神経関門通過の詳細な分子機序を解明していきたい.
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