研究課題/領域番号 |
21K07457
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
木村 暁夫 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00362161)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自己免疫性脳炎 / GFAP / 髄膜脳炎 / 髄膜脳脊髄炎 / 自己抗体 / 免疫療法 / 抗神経抗体 |
研究成果の概要 |
215名の自己免疫性GFAPアストロサイトパチー患者を同定し、その臨床像を明らかにした。男性が多く、発熱・頭痛を初期症状とし、経過中に意識障害、排尿障害、認知機能障害、運動異常症、視神経乳頭浮腫を認めた。線状血管周囲放射状造影病変を約半数に認めた。多くの患者はステロイド治療が奏功し、比較的予後良好であったが、一部の患者は免疫療法に抵抗性であった。11例の神経病理所見では、主に血管周囲にCD3陽性T細胞の浸潤を認め、CD20陽性B細胞とマクロファージの浸潤および反応性アストロサイトを認めた。脳脊髄液中の炎症性サイトカインとCXCL10などのケモカインの上昇を認め、病態との関連性が示唆された。
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自由記述の分野 |
脳神経内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
GFAP抗体の測定系を確立し、自己免疫性GFAPアストロサイトパチーの可能性を疑う上で重要な臨床的特徴を明らかしたことにより、多くの患者の診断が可能となり、ステロイド治療を主体とする免疫療法を介した患者の予後の改善につなげた。一方、一部に存在する難治例に関し、その特徴と治療法の確立が今後の課題として明らかとなった。本研究で得られた病理所見は、本疾患のT細胞を主体とする病態機序を示唆するものであり、既報に一致した。granzymeやperforinを発現したCD8陽性T細胞がアストロサイトの近傍に確認されており、主に抗原特異的T細胞によるアストロサイトの障害が存在する可能性が推測された。
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