研究課題
福岡県久山町在住の65歳以上の住民を対象に、1985年、1992年、1998年、2005年、2012年、2017年、2022年の7回にわたり認知症の横断調査を実施した。また、1988年(n=803)、2002年(n=1,231)、2012年(n=1,521)の健診を受診した認知症のない65歳以上の住民からなる3つのコホートを設定し、それぞれを10年間追跡した。認知症有病率の時代的変化は、ロジスティック回帰モデルを用いて検証した。また、Cox比例ハザードモデルを用いて認知症の年齢・性別調整した罹患率と生存率を各コホート間で比較した。認知症の粗有病率は1985年から2012年まで経時的に増加した(1985年6.7%、1992年5.7%、1998年7.1%、2005年12.5%、2012年17.9%、p for trend <0.01)。しかし、2012年以降、認知症の粗有病率は2022年まで経時的に減少した(2012年17.9%、2017年15.6%、2022年11.9%、p for trend <0.01)。これらの時代的変化は、世界基準人口を用いて年齢を標準化しても変わらなかった。つぎに認知症の罹患率と予後の時代的変化を検討した。性・年齢調整した認知症の罹患率は1988年のコホートから2002年のコホートまで有意に増加したが(調整ハザード比[aHR]=1.7、95%信頼区間[CI]=1.5-2.2)、2002年コホートから2012年コホートにかけて認知症の罹患率は有意に減少した(aHR=0.6、95%CI=0.5-0.7)。認知症の5年生存率(性・年齢調整)は、1988年コホートの47.3%から2002年コホート65.2%まで有意に改善したが(p<0.01)、2012年コホートは58.3%と近年の生存率に経年変化は認められなかった(p= 0.39)。
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