複数の核種を併用するマルチイオン照射法により、再発リスクの高い難治性がんに対する臨床成績向上が期待されている。マルチイオン照射法の実用化に向けては、安全系として、照射核種およびイオンビーム純度を監視する機能が必要となる。本研究では、入射粒子の電荷数に対して応答が異なる2種類の検出器(ファラデーカップと電離箱)を併用した新しいビーム監視方法を提案し、それを用いたビーム監視システムの開発を行った。実際に不純物イオンが混入したビームを生成し、開発したビーム監視システムの性能検証を行った結果、試験システムにて治療線量精度の保証上求められる99.9%の許容純度を識別できることを確認した。
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