研究課題/領域番号 |
21K07593
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大石 直也 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (40526878)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | MRI / 脳 / 深層学習 / マルチタスク / 精神・神経疾患 |
研究実績の概要 |
非侵襲的脳画像法の代表である脳MRIは、ハード・ソフトウェアの進歩により精神・神経疾患の臨床・研究に大きく寄与してきた。申請者はこれまでに2つの問題を同時かつ相補的に学習することで精度向上を図るマルチタスク深層学習の手法を開発し、その臨床的有用性を明らかにしてきた。本研究の目的は、MRIの多岐にわたるシーケンス画像および課題に適したマルチタスク深層学習アルゴリズムを開発し、健常者および精神・神経疾患患者に適応することで各タスク精度の向上性を明らかにすることである。 2021年度では、これまで開発したマルチタスク深層学習アルゴリズムをさらに発展させ、複数シーケンスのMRI画像(multiple 3D)を組み合わせたマルチタスク深層学習手法を確立するとともに、複数種類の領域を同定するためのアルゴリズム開発も実施した。複数シーケンスのMRI画像を組み合わせることで、単一シーケンスと比べて脳腫瘍の領域同定精度が飛躍的に向上することを検証しえた。また、京都大学医学研究科に設置済のMRI装置(7テスラ、Siemens社製)を用いて、京都大学病院精神科の協力の元で健常者34名、外傷性脳損傷患者10名、うつ病患者5名、に対して3次元T1画像、DWI、rs-fMRIなど複数シーケンスのMRIデータを取得した。さらに、心房細動患者から脳梗塞の予測を行うための機械学習モデルを構築し、その有用性を責任著者として論文出版した(Nishi, Oishi et al. J Cereb Blood Flow Metab., 2021)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①多種・多次元の脳MRIに適したマルチタスク深層学習アルゴリズムの開発:複数シーケンスのMRI画像(multiple 3D)を組み合わせたマルチタスク深層学習手法を確立するとともに、複数種類の領域を同定するためのアルゴリズム開発も行うなど当初の計画通りに進展している。 ②健常者による学習アルゴリズムの検証:健常者34名の7テスラMRIデータを新規に収集し、当初の計画通りに進展している。 ③精神・神経疾患患者による学習アルゴリズムの検証:外傷性脳損傷患者10名、うつ病患者5名の7テスラMRIデータを新規に収集し、当初の計画通りに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
現時点で、本研究はおおむね順調に進展しているため、2022年度も当初の研究計画に基づいて推進していく。 ①多種・多次元の脳MRIに適したマルチタスク深層学習アルゴリズムの開発:2021年度に開発した手法の検証を継続するとともに、単一スライス(2D)画像のみを与えた場合のマルチタスク深層学習系の開発も実施し、既存データを用いた検証を行う。 ②健常者による学習アルゴリズムの検証:健常者の7テスラMRIデータを継続して実施するとともに、これらのデータを用いて①で開発したアルゴリズムを検証する。 ③精神・神経疾患患者による学習アルゴリズムの検証:精神・神経疾患患者の7テスラMRIデータを継続して実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で学会出張がオンラインとなり、旅費が発生しなかったことが大きな理由である。次年度も同様の対応になるようであれば、グラフィックボード(GPU)の更新などの物品費として活用し、解析のさらなる効率化を図りたい。
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