研究課題
非侵襲的脳画像法の代表である脳MRIは、ハード・ソフトウェアの進歩により精神・神経疾患の臨床・研究に大きく寄与してきた。申請者はこれまでに2つの問題を同時かつ相補的に学習することで精度向上を図るマルチタスク深層学習の手法を開発し、その臨床的有用性を明らかにしてきた。本研究の目的は、MRIの多岐にわたるシーケンス画像および課題に適したマルチタスク深層学習アルゴリズムを開発し、健常者および精神・神経疾患患者に適応することで各タスク精度の向上性を明らかにすることである。2023年度では、昨年度開発した複数シーケンスのMRI画像(multiple 3D)を組み合わせたマルチタスク深層学習手法を前庭神経鞘腫患者に対する検証を新たに実施した。約60名の前庭神経鞘腫患者に対して、T1強調, T2強調, Gd-T1画像を組み合わせることで単一シーケンスと比べて腫瘍領域の同定精度が向上することを検証しえた。さらに、生成AIの基盤技術を応用することでT1強調画像からT2強調画像への画像-画像変換、あるいはノイズ除去などの精度が向上することも明らかにした。また、精神・神経疾患において重要であることが示唆されているが微細なため従来の技術では同定困難であった手綱核の正確な同定技術を深層学習により成功し、責任著者として論文報告(Kyuragi et al., Biological Psychiatry: Global Open Science., in press)するなど複数の学術的成果を得た。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
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