研究課題/領域番号 |
21K07738
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
曽我 茂義 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80365387)
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研究分担者 |
奥田 茂男 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (30233456)
井上 政則 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30338157)
貴志 和生 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (40224919)
鈴木 悠史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (40793287)
山田 稔 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (60365434)
山田 祥岳 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60383791)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | MRリンパ管造影 / MR lymphangiography / リンパ管造影 / リンパ浮腫 |
研究実績の概要 |
本研究は先進的なリンパ管イメージングモダリティを用いてリンパ系を可視化し、新規画像診断法を確立し、リンパイメージングのレベルを押し進める事を目指している。 本年度の成果として、下肢リンパ浮腫患者のMR lymphangiography (MRL)所見と臨床データを解析し、下記の新たな知見が得られ、論文や学会で報告した。 従来、下肢のリンパ浮腫でMRL所見が重症度や解剖学的部位によってどのように変化するかは未知であり報告されていなかった。本研究ではMRL画像の解析と臨床所見の対比を行う事で、部位や臨床病期に応じて変化する特徴的なdermal backflow (DBF)とリンパ管の描出パターンを明らかにした。またその結果に基づき新たにMRLによるリンパ浮腫のステージングシステムを提唱した。これらの知見は、より詳細なリンパ浮腫の病態生理の解釈や疾患の進行状況の評価に役立つと考えられる。また、MRL特有のDBFとリンパ管の描出パターンが明らかとなり、特にDBFパターンは他検査と大きく異なる事も示された。MRLステージングは、リンパ浮腫患者の新たな層別化を可能にし、またMRLの優れた末梢リンパ管の描出能と相まって、治療法の選択、手術プランニング、研究に役立つと考えられた。 本研究の成果はJ Vasc Surg Venous Lymphat Disord. 2022 Mar;10(2):445-453.e3に論文として報告したほか、磁気共鳴医学会の学術奨励賞、日本リンパ浮腫治療学会総会の優秀演題賞の受賞に至った。また9th International Congress on MRI & 26th Annual Scientific Meeting of KSMRM (ICMRI 2021)のinvited lectureとしても発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究体制や環境の整備、また新たなMRI装置での撮影のために必要となったファントム実験を含めた撮影プロトコール開発等に想定以上の期間を要した。またコロナ禍の影響で、実施が難しい研究内容が生じたり、学会参加、会議にも制約が生じるなどの影響があった。しかし、一部の研究計画は前倒しに進んでおり、論文報告や学会報告、受賞など多くの成果が得られた。総じて概ね順調に進展しており、次年度はさらなるデータの蓄積、研究成果の結実が期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に従って、本年度は引き続きデータを蓄積する。またこれまでの研究で作成したdynamic contrast-enhanced MR lymphangiographyのプロトコールやCT lymhangipgraphy、光音響画像や立位CTなどを用い、末梢および中枢を含めた全身のリンパ管イメージングを推し進める事を目指し、画像解析や治療までを見据えた臨床的有用性の検討などを行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 次年度使用額が生じた理由は、コロナ禍の影響で学会や会議の参加などが制限され、国内外の学会参加、研究成果発表のために計上していた旅費を節約できた事と、同様の理由で当初予定していた研究計画のうち施行が難しくなった項目があったため、この費用も節約できた事による。 (使用計画) 次年度は研究がより本格化する見込みであり、未使用額は次年度の研究費と合わせて使用する計画である。これらの研究費の使用計画としては以下の項目での支出を計画している。1.データ解析、処理、保存に必要な ソフトウェア、ストレージ、モニター等の画像処理、コンピューター関連用品、消耗品等、 2.検査とデータ取得に必要なX線防護具、カメラ、タブレット端末、薬品、消耗品等、 3.研究成果報告および情報収集のための旅費(国内外の学会、会議)、4.学会報告や論文作成に関わる統計解析、英文校正、図表作成、別刷り印刷等の費用
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