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2021 年度 実施状況報告書

小児固形腫瘍治療に対する粒子線治療のための吸収性スペーサー留置ラットモデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 21K07758
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

亀井 美智  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (80510271)

研究分担者 岩田 宏満  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (40611588)
武田 理沙  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 臨床研究医 (40832225)
木村 浩明  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (50608693)
高木 大輔  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (60611580)
相羽 久輝  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70793834)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード吸収性スペーサー / ネスキープ / 小児固形腫瘍 / 化学療法 / ラットモデル
研究実績の概要

本研究は、小児がん治療における陽子線照射時に安全に吸収性スペーサーを用いるため、ラットモデルを構築し、化学療法併用時の生体への影響について検証することを目的としている。
2021年度までに我々は、ラットモデルの構築のためのパイロット研究を終了し、研究方法を確立した。また既に本試験を開始している。
パイロット研究では、①ラットモデルに適切なスペーサーの大きさと手術手技の確立、②エンドキサン経口投与による化学療法のプロトコル確立、③安全性評価のための、血液毒性、炎症反応、病理組織による微小環境変化評価、CT撮像の画像解析の時期と項目の妥当性を検証した。成熟前のラットでは挿入可能なスペーサーの大きさが小さくなるため、吸収速度が速くなり評価が困難であった。さらにスペーサー留置部位、癒着防止シートの有無、大きさ、固定方法の検討を試みてプロトコルを確立した。実際には、成熟雄ラットを用い、留置術当日からエンドキサン投与を行い安全に解析が可能となっている。血液毒性については、エンドキサン投与の3-4日後に骨髄抑制が最も著明な傾向があり、28日以降は大きな変化が認められなかった。血液毒性、炎症反応の評価スケジュールを投与後3日後、1週間後、その後は1週間ごとに28日サイクルでの化学療法を実施することとした。Albの変化はラットモデルでは変化が認められず、中止とした。CT撮像については、撮像時期とともに、撮像スライス間隔、解像度の検討を行った。CT評価スケジュールは28日間隔とし、スペーサー断面の評価と減少率の解析が可能であった。
今後は、病理組織による微小環境の評価と合わせてスペーサー吸収形態の評価、二酸化炭素の産生、最終の吸収時期についても確認していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

化学療法プロトコル、手術手技、評価項目と解析については、本試験をすでに開始しておりデータ収集、病理組織による微小環境評価についても進行中である。
一方で侵襲によるラットの死亡が考えられたため、安全な麻酔プロトコルや、手術手技などの再検討を行う必要があったため、一部のデータ採取のスケジュールが遅れている。
癒着のばらつきや、スペーサー吸収中の加水分解による二酸化炭素貯留量のばらつきも認められ、原因について検索中である。

今後の研究の推進方策

本試験では3群にわけて、①スペーサー留置群(化学療法あり)、②スペーサー留置群(化学療法なし)、③スペーサーなし群(化学療法あり)の比較を予定している。
スペーサー留置および化学療法開始後の血液毒性、炎症反応の評価、病理組織による微小環境評価のためのデータ収集の継続を行う。
セプラフィルムを使用しても癒着を認めるケースが少なくなく、癒着スコアリングシステムを導入し、定量的な評価を行う。
スペーサーの吸収について、病理組織の評価とCT画像を連携して評価するために、CT撮像後のsacrificeと解剖が必要である。同一個体でCT画像による経時的な変化を追うことが不可能であるため、追加実験も今後必要と考え予定している。

次年度使用額が生じた理由

ラットの死亡による研究計画の遅れのため、一部のラット購入、物品、管理費用が実験延期のため未使用。
購入を予定していた物品について、在庫品の使用が可能であったため購入を延期した。
コロナウイルス感染症の影響で、国内外の情報収集のための出張が不可となり、旅費を使用していないため来年度に繰り越すこととなった。

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公開日: 2022-12-28  

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