研究分担者 |
吉田 誠司 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (20815865)
菅 俊光 関西医科大学, 医学部, 教授 (40288816)
柳夲 嘉時 関西医科大学, 医学部, 講師 (90610353)
早川 潔 大阪公立大学工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20325575)
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研究実績の概要 |
1.起立性調節障害(OD)児へのリカンベント運動療法の効果 【目的】OD児に対するリカンベント運動の効果を心肺負荷試験(CPX)と新起立試験で評価する。【方法】対象は中学1~3年のOD児24名(男児15名)。運動群14名はリケンベントエルゴメーター運動を1日1回30分、4週間継続し。10名(対照群)は運動療法を受けなかった。入院時と運動療法終了後のCPXと新起立試験のデータを比較検討した。【結果】運動群ではCPXの安静時心拍数(89.7vs83.1, p=.055), 運動負荷後の収縮期血圧(151.6vs145.9, p=.005), 運動負荷後の拡張期血圧(70.1vs,55.5 p=.005), 負荷運動継続時間(9.9vs11.1, p=.015), 最大酸素摂取量(31.5vs33.9, p=.019)、Heart Rate Recovery(25.0vs29.3, p=.054)が改善し、対照群では変化がなかった。【考察】4週間のリカンベント運動療法はOD児の起立耐性と自律神経調整機能を改善すると考えられた。 2.モニタリング機器を用いた運動療法の試み 【目的】CPXによる運動療法の負荷量(watt: w)と、ペダルにセンサを設置して圧力と速度をBluetoothで別室のPCに送りモニタリングできることの利便性を検討した。【方法】OD児46名(男子28名)の目標運動負荷量を解析し、運動療法のモニタリングの利便性は担当医の意見を求めた。【結果】目標運動負荷量の平均(標準偏差)は男子55.9(18.7)w、女子35.1(14.1)wであった(p<0.001)。PCにてOD児の運動を離れた場所からモニタリング可能であった。【考察】20~80wの運動負荷がOD児の運動療法に適しており、機器の使用は病棟でOD児に運動療法を実施する上で有用と考えられた。
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