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2023 年度 研究成果報告書

炎症性腸疾患における免疫細胞の分化可塑性の機序と病態の解明

研究課題

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研究課題/領域番号 21K07895
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分53010:消化器内科学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

村上 真理  大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10801293)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード炎症性腸疾患 / 組織常在性記憶T細胞 / 獲得免疫 / 単一細胞解析
研究成果の概要

T細胞の過剰な免疫応答は炎症性腸疾患の主たる誘因であるが、炎症性腸疾患特異的T細胞サブセットは報告されていなかった。本研究では、ヒト腸粘膜の包括的T細胞プロファイリングによって、クローン病患者腸管の炎症局所において特異的に発現するCD4陽性組織常在性記憶T細胞を同定し、さらにそれを誘導する転写因子を見出した。この疾患特異的T細胞は炎症性腸疾患の微小環境下において活性化され、炎症性サイトカインや細胞傷害性顆粒を高く発現する。これにより、周囲の免疫細胞がさらに活性化され炎症を増悪させるとともに、隣接する腸上皮細胞に対する傷害活性が増強されることが示唆された。

自由記述の分野

免疫学・消化器病学・代謝学

研究成果の学術的意義や社会的意義

クローン病に対する治療選択肢は、生物学的製剤や低分子化合物の導入により拡大し、寛解導入率が飛躍的に改善してきた。したがって、治療抵抗性の患者に対する治療法の開発に加えて寛解状態をいかに維持するかという点がこれからのクローン病の治療戦略において最重要事項の一つである。そのような観点から、長期にわたって粘膜にとどまる病原性組織常在性T細胞はクローン病の慢性炎症の治療に対する格好の標的であると考えられる。本研究による疾患特異的なT細胞とその誘導機構の一端の解明は、新たなクローン病の治療戦略の構築につながると考えられ、従来の治療法との併用によりクローン病治療がより充実することが期待される。

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公開日: 2025-01-30  

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