研究課題
本研究ではAM80と免疫チェックポイント阻害剤との併用による腫瘍縮小効果の検証、非臨床検体を用いたAM80による免疫プロファイルの変化と作用機序の解明、さらには臨床検体を用いたAM80による免疫プロファイルの変化の検証を行う予定である。本年度はMeflinの発現量を上昇させる薬剤としてAM80を同定し、抗がん剤とAM80の併用において抗がん剤単剤投与群に比べ優位な縮小効果が得られることを確認し論文化(Iida T et al ,Oncogene,2022)を行った。このデータを基礎にして現在切除不能膵癌に対するAM80とゲムシタビン/ナブパクリタキセルの併用療法に関する治験を計画しプロトコール論文も作成している(Mizutani Y,Iida T et al ,BMC Cancer,2022)。治験は今年度より開始されており、今後臨床検体も得られる予定である(PMDA受付番号:2021-2196)。さらに膵癌細胞株(mT5)を用いICIとAM80の併用したところ、ICI単剤群と比べ優位な腫瘍縮小効果を確認することができている。引き続き他の膵癌細胞株、他のモデルマウスをを用いて検証を行っているところである。また、一細胞解析ではAM80非投与群と比べAM80投与群では癌関連線維芽細胞以外の細胞でも様々な変化が認められている。同時に条件をいくつか変えた腫瘍をRNAseqに提出しており一細胞解析の結果と比較検討する予定でいる。この検証は癌関連線維芽細胞との関連性を含めさらなるメカニズムの解明につながる可能性があり当初の計画通り実験は進んでいると考えている。
2: おおむね順調に進展している
計画通り順調に進んでいるため。
今後の研究の中心はAM80投与群の免疫プロファイルの検証に移る予定である。AM80による免疫細胞への直接的な作用も考えられるが、癌関連線維芽細胞を中心としたメカニズムの解明へとつながるかどうかも含めメフリン欠失マウス等を用い検証する予定である。
当初今年度で使用する予定であったRNAseqが一部検体不良で提出できなかった。次年度に再度AM80の投与群と非投与群の腫瘍を再度提出し解析を行うため予定である。
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Oncogene
巻: 41 ページ: 2764-2777
10.1038/s41388-022-02288-9
BMC Cancer
巻: 22 ページ: -
10.1186/s12885-022-09272-2