研究課題/領域番号 |
21K07941
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
飯田 忠 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (30878319)
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研究分担者 |
大野 栄三郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (00447822) [辞退]
石川 卓哉 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00792649)
川嶋 啓揮 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (20378045)
藤城 光弘 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (70396745) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | AM80 / ICI / 癌関連線維芽細胞 |
研究実績の概要 |
本研究ではAM80と免疫チェックポイント阻害剤との併用による腫瘍縮小効果の検証、非臨床検体を用いたAM80による免疫プロファイルの変化と作用機序の解明、さらには臨床検体を用いたAM80による免疫プロファイルの変化の検証を行う予定である。今年度は膵癌、尿路上皮癌、胃癌、肺癌のマウスモデルに対してICI(抗PD-1抗体あるいは抗PD-L1抗体)とAM80との併用による有効性を確認することができた。また、一細胞解析を用いたところAM80投与群はAM80非投与群と比べ、リンパ球、マクロファージにおいて変化が見られ、特にマクロファージの変化がICI感受性を増強していることが判明した。さらに一細胞解析だけでなく、免疫染色やフローサイトメトリーを使用して追加で検証する予定である。また、この免疫細胞の変化がCAFを介しての作用であるかどうか、その場合のメカニズムに関しても確認し現在再現性を確認しているところである。 臨床試験に向けては、非臨床性の充足性に関してレギュラトリーサイエンス戦略相談事前面談を行った。結果、AM80とICIの併用の臨床試験を実施することについて追加の非臨床安全性試験が必要か確認したが、特に追加は不要であるとの回答を得て尿路上皮癌に関しての治験計画を行っている。膵癌に関しては特定臨床試験を計画し各種書類を作成した。2024年2月には先進医療Bの認可、3月にはEDC構築も終了し令和6年度4月より開始する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究ではAM80と免疫チェックポイント阻害剤との併用による腫瘍縮小効果の検証、非臨床検体を用いたAM80による免疫プロファイルの変化と作用機序の解明、さらには臨床検体を用いたAM80による免疫プロファイルの変化の検証を行う予定である。今年度は膵癌、尿路上皮癌、胃癌、肺癌のマウスモデルに対してICI(抗PD-1抗体あるいは抗PD-L1抗体)とAM80との併用による有効性を確認できた。また、一細胞解析を用いAM80投与群はAM80非投与群と比べ、リンパ球、マクロファージにおいて変化が見られ、特にマクロファージの変化がICI感受性を増強していることが判明した。さらに一細胞解析だけでなく、免疫染色やフローサイトメトリーを使用して追加で検証し同様な変化を確認することができている。 臨床試験に向けては、非臨床性の充足性に関してレギュラトリーサイエンス戦略相談事前面談を行った。結果、AM80とICIの併用の臨床試験を実施することについて追加の非臨床安全性試験が必要か確認したが、特に追加は不要であるとの回答を得て尿路上皮癌に関しての治験計画を行っている。膵癌に関しては特定臨床試験を計画し各種書類を作成した。2024年2月には先進医療Bの認可、3月にはEDC構築も終了し令和6年度4月より開始する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
AM80投与群はAM80非投与群と比べ、リンパ球、マクロファージにおいて変化が見られ、特にマクロファージの変化がICI感受性を増強していることが判明した。次年度はさらに臨床検体を用いて検証する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度より臨床研究が開始となり臨床検体を用いて非臨床研究で得られた事象の再現性を確認する実験の必要性が生じた。臨床検体を用いて、CAF、マクロファージ、リンパ球等の形質変化を免疫染色、RNAscopeを用いて確認する。
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