研究課題/領域番号 |
21K08006
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
柘植 雅貴 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (50448263)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | B型肝炎ウイルス / 免疫寛容 / ヒト肝細胞キメラマウス / 遺伝子発現解析 / 次世代シークエンス解析 |
研究成果の概要 |
B型肝炎ウイルス(HBV)持続感染者における生体内の免疫応答機序には不明な点が多い。本研究では、免疫細胞がHBVを認識する機構を解析し、HBVが宿主を免疫寛容状態へと誘導する機序を明らかにすることを目的として研究を開始した。HBV感染肝細胞を用いた遺伝子発現解析の結果、TRAIL-R3が抽出され、機能解析により、TRAIL-R3はHBV感染後、HBx蛋白により転写活性化されること、TRAIL-R3発現が亢進することによりTRAIL誘導性のアポトーシスから回避していることが明らかとなった。この結果から、TRAIL-R3の発現誘導がHBVの免疫回避機構の一つとなっていることが示された。
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自由記述の分野 |
消化器病学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
B型肝炎ウイルスは感染後、宿主の免疫寛容状態を誘導し、ヒト肝細胞に持続感染するがそのメカニズムは不明である。本研究成果により、B型肝炎ウイルス感染によって細胞内のTRAIL-R3発現が亢進し、B型肝炎ウイルス感染肝細胞におけるTRAIL誘導性アポトーシスの回避、B型肝炎ウイルス増殖の活性化が誘導され、B型肝炎ウイルスの宿主免疫回避、感染維持に寄与することが明らかとなった。この回避機構を制御することにより、宿主のB型肝炎ウイルスに対する免疫応答を回復させることが可能であり、ヒト肝細胞からのB型肝炎ウイルス完全排除に向けた治療標的となる可能性がある。
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