心臓病と腎臓病が互いに関連しあう「心腎連関」の機序はいまだ不明な点が多い。交感神経系は心臓や腎臓のコントロールを含む循環調節に重要であり、交感神経活動を最終的に規定するのは脳である。腎神経求心路の興奮は脳に入力し、交感神経制御に関連することが示唆されている。本研究により、腎神経求心路の心不全病態への寄与が明らかになり、さらに「腎→脳」の連携による交感神経出力の調節機序が明らかになった。これらの研究成果は心不全患者における腎デナベーション治療の有用性を示唆し、「腎→脳→心」の臓器連携機序に基づいた新たな心不全治療の開発につながることが期待される。
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