研究課題/領域番号 |
21K08166
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
長岡 鉄太郎 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70407295)
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研究分担者 |
田中 里佳 順天堂大学, 医学部, 教授 (70509827)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 肺動脈性肺高血圧症 / 生体外増幅培養 / 末梢血単核球 / マクロファージ / 血管内皮前駆細胞 / 細胞移植 |
研究成果の概要 |
生体外増幅培養した末梢血単核球(MNC-QQc)の血管内投与によって、肺動脈性肺高血圧症(PAH)ラットの肺循環動態と血管リモデリングが改善した。ドナーから採取したMNC-QQcはレシピエントPAHラットの肺組織間質に定着しており、その多くはM2マクロファージであった。MNC-QQcからM2マクロファージを除去するとPAH改善効果は消失した。肺組織の網羅的遺伝子解析では、MNC-QQcは炎症関連遺伝子の発現を抑制しており、さらにM2マクロファージがTACR-1遺伝子の発現を制御していた。MNC-QQcがTACR-1を介した炎症抑制によってPAHの病態を改善している可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
肺循環障害
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
各種肺血管拡張薬の開発によってPAHの予後は劇的に改善したが、強い血管内皮細胞障害と血管リモデリングを有する治療抵抗性の重症PAHでは、肺移植以外に有効な治療手段がないのが現状である。本研究では、単発のMNC-QQc投与でPAHラットの肺循環動態に加えて肺動脈リモデリングが改善しており、肺血管拡張薬にはない抗リモデリング効果を有する新規治療としても期待される。細胞移植という、これまでにない発想のPAH治療コンセプトであり、特に重症例に対する治療戦略を大きく変える可能性を含む研究成果と考えている。
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