ELOVL6 活性低下が喘息病態にどのような影響を与えるか検討した。まず重症喘息患者の気管支上皮では、対照群と比較してELOVL6の発現が低下していることを見出した。さらに、Elovl6欠損喘息マウスを用いて喘息病態に対するElovl6の寄与を調べたところ、野生型マウスと比較してElovl6欠損喘息マウスの気道・肺組織では気道炎症が増悪し、リンパ節からのリンパ球の排出が増加し、2型・非2型免疫応答ともに亢進していることがわかった。また、リピドミクスのプロファイリングから、Elovl6欠損喘息マウスの肺では、パルミチン酸、セラミド、スフィンゴシン-1-リン酸の濃度が高いことも明らかになった。
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