本研究課題では、特に皮膚resident memory T細胞(TRM)で発現増強が見られるFABP4/FABP5に着目し、TRMの構築・維持機構をヒト皮膚・マウスモデルで解析した。ヒト皮膚では、加齢に伴い特に表皮内TRMが増数し、表皮・真皮ともTRMのFABP5発現が高まることが判明した。FABP5の発現強度と相関する細胞表面分子・転写因子に、TRM関連分子が複数同定され、FABP5とこれらの分子を結ぶカスケードを探索できた。マウスモデルでは、TRM介在接触過敏反応がFABP5欠損マウスで減弱し、FABP5がTRM様細胞の構築には影響しないものの、その機能、局所維持に司ることを見出した。
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