ECM1欠損マウスに皮膚由来癌細胞株(有棘細胞癌、黒色腫)を植え付け、癌細胞の局所維持と進展機構を解析した。コンベンショナルな手法でECM1遺伝子欠損マウスを作成したが、全例が胎生期に死亡した。この結果は、ECM1が単なる疾患感受性遺伝子ではなく、発生学的にも重要な分子であることが確証された。次に、コンディショナルKO法による臓器特異的なECM1欠損状態を作成、さらに培養皮膚線維外細胞をsiRNA法でECM1遺伝子のみを欠損させて解析した。
ECM1のKOヒトモデルである皮膚粘膜ヒアリノーシスは、胎児致死や生命予後に影響を及ぼさない遺伝病であり、本結果は種間の異なるECM1機能を示していた。
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