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2023 年度 研究成果報告書

血液凝固第IX因子由来ペプチドの血管保護作用

研究課題

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研究課題/領域番号 21K08380
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
研究機関日本大学

研究代表者

日だい 智明  日本大学, 医学部, 教授 (70228732)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード脳梗塞 / 炎症反応 / 血液凝固因子
研究成果の概要

非活性型の血液凝固第IX因子(F9)には血管透過性抑制作用がある。この活性はF9のactivation peptideに局在しており、化学合成ペプチド(F9-AP)の静脈内投与は敗血症モデルや脳挫傷モデルで治療効果を示す。本研究では、脳挫傷モデルにおいて、F9-APの投与によりc-fosやVEGFなどの急性反応物質や炎症のマーカー遺伝子が増加していることが分かった。一方、血管内皮細胞を用いた実験では、F9-APはIL6やトロンビンなど複数のリガンドによるシグナルを同時に抑制し、機序として脂質ラフトの関与が推察された。さらに、脳梗塞モデルでもF9-APによる梗塞巣の縮小が観察された。

自由記述の分野

細胞生物学

研究成果の学術的意義や社会的意義

脳梗塞の治療では、発症から6時間以内の血流再開が虚血による一次的障害を抑制し、予後の改善に有効であると知られているが、その条件で病院にたどり着ける患者は全体の10%に満たない。一方、脳梗塞は、脳外傷同様に炎症による二次的障害が臨床上重要な意味を持つので、それを防止できるF9-APは、新たな脳梗塞の治療戦略の存在を示唆している。また、F9ーAPの抗炎症作用は、これまで知られている、NSAID、ステロイド、免疫抑制剤と異なる機序による可能性が高い。COVID19による肺炎など、炎症反応は未だ十分にはコントロールできていない反応であり、本研究の成果は新しい抗炎症薬の発明に寄与すると考えられる。

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公開日: 2025-01-30  

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