本研究では、先行研究で見出した化合物の有効性を複数の動物モデルを用いて検討した。本化合物は難溶だがSulfobutylether-β-Cyclodextrinの20%溶媒に溶解できた。本物質の腹腔内投与後の循環血漿濃度は投与後15分でピークに達し、24時間後には5%程度まで減少した。肝炎モデルではTNFαの産生抑制と生存期間の延長を得ることができたが、完全には肝障害を抑制できなかった。急性・慢性関節炎モデルで骨破壊、軟骨破壊を抑制し、炎症細胞浸潤も抑制した。また、慢性関節炎のモデルでは免疫細胞の抗原依存的な活性化の抑制と所属リンパ節の樹状細胞の減少が観察された。
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