本研究では、血中細胞外小胞(EV)の脂質プロファイルの違いによって、乳がんの有無や腫瘍のサブタイプ、病期を識別することができるどうかを、日本人乳がん患者、および健常者由来の血漿検体を用いて検討した。スクロースクッション超遠心法を用いることで、リポタンパク質のコンタミネーションなく高品質のEV分離精製できることを確認。乳がん患者、良性乳腺疾患患者、健常人よりなる、2つの独立したコホートを用いた検証で、EVの脂質組成の違いをベースにした乳がんの診断モデルを作成することに成功した。探索的解析で、乳がんのステージやサブタイプの違いを反映する脂質が存在する可能性も確認された。
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