研究課題
肺胞サーファクタントSP-Aに目をつけ、そのCRD(糖鎖認識部位)部分を膜型レクチンの一つであるCL-1のCRDに置き換え、pCXN2-Vectorのcloning siteに挿入、pCXN2/CL-SP-Aを作成し、FACSでその発現を確認した。前回はヒトmonocyte/macrophageのcell lineであるTHP-1を使い、ブタ血管内皮細胞(SEC)に対する障害率を検討した。今回はヒト抹消血からの顆粒球(PBMC)を取り出し、M-CSF(100ng/mL)を加え5日間培養しmacrophageに誘導した後、FACSにてCD14の発現を確認し、同時にSIRPaの発現を検証した。CL-SP-Aによるphagocytosis(貪食)に対する抑制効果を検討した。SECに対するヒトmacrophageの貪食率は約75%であったのに対し、SEC/CL-SP-Aに対しては約30%以下の値を示した。また、続いてROS産性能を検討した、SECの場合を100%とすると、SEC/CL-SP-Aでは約75%程度に落ちていた。さらに、反応の際のmacrophageでのサイトカイン産性能についてはmRNAを取りrt-PCR法で測定した、SEC/CL-SP-Aに対する場合は、SECに対する場合と比べて、IL-1bの産生に変化は示さなかったが、TNF-aやiNOS/Arg1は有意に下がっていた。一方、IL-10は有意に上昇していた。加えて、THP-1 Lucia NFkB細胞を用いて細胞障害を測定したが、SEC/CL-SP-AではSECに比してやはり有意にNF-kB遺伝子発現がおさえられていた。これらの事から、hybrid分子CL-SP-AがmacrophageのSECに対する攻撃の際、その抑制に有効であることが証明された。
2: おおむね順調に進展している
CL-SP-Aのdeta が出だした。
CL-SP-Aに関して、今度はヒトneutrophilでのphagocytosis等に対する制御効果を検討していく。また、Galectin3の検討を行う
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