ER陽性のルミナルタイプの乳がんは乳がん症例の約7割を占める。ルミナル症例の約2割ではホルモン療法に耐性が見られ再発の可能性が高い。本研究では、ルミナル症例が予後不良となる一因としてERの発現低下などのルミナル形質の喪失される可能性を示した。また、ERの発現低下した細胞においてCEACAM6の発現が亢進することも明らかにした。以上の成果から、本研究はルミナル症例においてホルモン療法の奏効性を予測できる新規マーカーとしてCEACAM6が有用である可能性を示した。また、CEACAM6陽性乳がん細胞を対象とした治療標的分子を同定することで難治性のルミナル症例の予後不良を改善できることが期待される。
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