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2022 年度 実施状況報告書

ヒアルロン酸代謝亢進フェノタイプとHippoシグナルを介した膵癌悪性化メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 21K08698
研究機関産業医科大学

研究代表者

平田 敬治  産業医科大学, 医学部, 教授 (70269059)

研究分担者 佐藤 典宏  産業医科大学, 医学部, 講師 (20423527)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード膵癌 / ヒアルロン酸
研究実績の概要

本研究の目的は、我々が提唱した「ヒアルロン酸代謝亢進フェノタイプ(HAMP)」の膵癌における臨床的および生物学的役割を明らかにし、特にHippoシグナルとの関連性から新たな悪性化メカニズムを解明することである。まず、HAMPのバイオマーカーとなるヒアルロン酸代謝に関与する新たなヒアルロン酸結合タンパク、Hyaluronan-binding protein 1 (HABP1)について、その膵癌における発現および機能的役割を解析した。その結果、HABP1は膵癌の46%に高発現しており、生存率の低下と有意に相関していた。さらに、siRNAによるノックダウンモデルを使った機能解析では、HABP1の発現低下によって細胞増殖能、コロニー形成能、および細胞遊走能の低下がみられた。以上の結果より、HABP1の発現は、膵癌の予後因子となること、および生物学的に膵癌の悪性化に寄与していることが示唆された(Adachi et al, Oncol Lett. 2022 May 23;24(1):222)。今後は、HABP1を含めたHAMPとHippoシグナルとの関係を解析する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通り研究成果が得られており、研究内容を報告した(Adachi et al, Oncol Lett. 2022 May 23;24(1):222)。

今後の研究の推進方策

今後は、HAMP陽性膵癌細胞に対するYAP活性化をブロックする治療戦略についての解析をすすめる予定である。具体的には、HAMP陽性の膵癌細胞(BxPC3など)に対し、核内におけるYAP-TEADコンプレックスをブロックするYAP特異的阻害剤(Verteporfin)を用いて治療し、抗腫瘍効果(細胞増殖、コロニー形成能、遊走・浸潤能の変化)を調べる。

次年度使用額が生じた理由

本年度の実験の都合で、物品費が予定額よりも少なかったが、今後の実験で使用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Prognostic and functional role of hyaluronan?binding protein 1 in pancreatic ductal adenocarcinoma2022

    • 著者名/発表者名
      Adachi Yasuhiro、Sato Norihiro、Oba Takuya、Amaike Takao、Kudo Yuzan、Kohi Shiro、Nakayama Toshiyuki、Hirata Keiji
    • 雑誌名

      Oncology Letters

      巻: 24 ページ: 1-9

    • DOI

      10.3892/ol.2022.13343

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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