研究課題/領域番号 |
21K08783
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
喜多 芳昭 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (30570692)
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研究分担者 |
盛 真一郎 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (00620519)
松下 大輔 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (10724205)
大塚 隆生 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (20372766)
佐竹 霜一 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (20866438)
野田 昌宏 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (40836128)
関 直彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (50345013)
田中 貴子 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (50866415)
保坂 優斗 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (70866425)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 分化転換 / オルガノイド |
研究実績の概要 |
①分化転換研究の根底となる「腫瘍の組織型・分化型を明確に規定する因子」を同定すべく4NQO投与ノックアウ トマウス発癌モデルで, 正常,異型上皮(早期 癌),扁平上皮癌,リンパ節転移(進行癌)のオルガノイドをそれぞれ作成中である.現在並行して行っている大腸癌の臨床サンプルからオルガノイドを作成し,分化転換因子候補をスクリーニングも行っている。 ②臨床サンプルの次世代シークエンス解析によって抽出されたマイクロRNA, miR-148a-5p (Fukuhisa H et al, J Hum Genet. 2019), miR-130b-5p(Kawagoe K et al, J Hum Genet. 2020), miR-204-5p(Khalid M et al, Cancers (Basel). 2019)が,胃癌,膵臓癌において,それぞれ,SERPINH1,EPS8,RACGAP1を抑制し,がん抑制に働くことを報告した.食道扁平上皮癌では,miR-143前駆体から派生するmiR-145-5p(passenger strand)とmiR-143-3p (guide strand)に着目し,ともに食道扁平上皮癌細胞で癌抑制型マイクロRNAである事を明らかにしマイクロRNAが制御する癌促進型遺伝子の探索を行い,HMGA2およびKRT80を見出し論文発表した(Wada M et al. J Hum Genet. 2020). さらに大腸癌オルガノイドよりRNA- Sequencingを行い,miR-490前駆体から派生するmiR-490-3pを抑制型マイクロRNAとして同定し,その抑制ターゲットであるIRAK1,FUT1, GPRIN2遺伝子が大腸癌の予後と相関することを論文発表した(Hozala N, et al., Int J Mol Sci 2021).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスモデルはすでに確立しており,オルガノイド培養をすでに開始しており,分子転換因子のスクリーニングを開始している.
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今後の研究の推進方策 |
4NQO投与ノックアウ トマウス発癌モデルからのオルガノイド作成,幹細胞マーカー・癌代謝領域オートファジーマーカーによる細胞分画やcaspase 3 活性アッセイやオートファジー検出アッセイで詳細な解析を行う.必要に応じてsortingを行い,その相違・変化を明確にし,相違・変化が大きかった2群で次世代シークエンサーを用いた網羅的遺伝子解析による比較を行い,組織型・分化型を規定する候補因子を同定する.RNA- Sequencingは継続して行い,分化転換関連microRNAの検索を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度,共同研究施設である千葉大学で候補non-coding RNAに関連するアッセイを予定したが,まだ候補が決定しておらず使用できなかったため次年度に使用。
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