研究実績の概要 |
研究の目的は、数値流体力学的解析結果を脳動脈瘤に応用することで、血管内手術後の脳動脈瘤の再発の防ぐ治療を提唱することである。脳動脈瘤に対する血管内治療や脳動脈瘤流体解析について複数の論文発表を行った(Misaki 2023 Heliyon, Misaki 2022 J Med Case Rep Case Series, Futami Misaki 2022 J Neuroradiol, Nambu Misaki 2022 Plos One, Futami Misaki 2022 Neurol Res, Kamide Misaki 2022 Asian J Neurosurg, Shomura Misaki 2022 Case Rep Neurol, Uno Misaki 2022 Neurol Sci, )。脳動脈瘤の再発を防ぐ方策として有効と考えられるのは金属の筒であるステントを使用することである。ステントには親血管から動脈瘤内に流れる血流を減弱させる効果があると報告され、特にステントの網の目が細かい特殊なステントはフローダイバーターと呼ばれる。金沢大学ではフローダイバーターによる脳動脈瘤治療の実績が増えて、治療後経過についての論文報告を行った(Ichinose Misaki 2022 Br J Neurosurg)。金沢大学脳神経外科で血管内手術を行った脳動脈瘤のうちフローダイバーターで治療したものは25例を越え、多くは1年を経過せずに動脈瘤が消失して良好な結果を得ている。コイルを留置せずに動脈瘤を血栓化させるこのフローダイバーターは研究テーマである動脈瘤再発予防効果を強く有していると考えられる。しかしながら動脈瘤が治癒しない症例も存在するため今後は関連因子について統計学的に解析を行う。
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