研究課題/領域番号 |
21K09136
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
小林 啓一 杏林大学, 医学部, 講師 (70406990)
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研究分担者 |
佐々木 重嘉 杏林大学, 医学部, 助教 (20894504)
市村 幸一 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (40231146)
永根 基雄 杏林大学, 医学部, 教授 (60327468)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | CNS lymphoma / liquid biopsy / MYD88 / CD79B |
研究実績の概要 |
我々は、CNSLにおいてdigital PCR法を用いて、髄液中遊離DNA(cell-free DNA, cfDNA)よりCNSLに特徴的な遺伝子変異であるMYD88 L265P変異を検出するliquid biopsyの検査条件を確立した。また、CNSLではCD79B変異もMYD88変異に並ぶ特異的な遺伝子変異として知られている。本研究では、CNSLの特異的遺伝子変異であるMYD88遺伝子変異、CD79B遺伝子変異を、digital PCR法、BNA Clamp-quantitative PCR(BNA-qPCR)法により検出するCNSL診断法を前方視的に検証し、臨床応用へつなげることを目的とする。 2023年度も、理研ジェネシス株式会社 遺伝子解析部開発課とともに、MYD88 L265P変異、CD79B遺伝子変異のhot spot(c.586-591)をターゲットとした野生型BNAClamp、PCR probeを作成した。各種遺伝子変異を導入したプラスミドを用いた検証実験により、作成したBNA Clamp、PCR probeによりMYD88変異、CD79B変異検出を確認した。また、段階希釈実験では、変異アリル頻度(variant allele fraction; VAF) 0.5%でMYD88変異、CD79B変異が検出可能であり、臨床上実現可能な実験条件で遺伝子変異検出が可能な検査法を確立した。現在は、開発した検査法当研究室で保有しているCNSLの腫瘍DNA・髄液DNAのペア検体 15検体を用い、MYD88およびCD79B遺伝子変異検出の検査精度を後方視的に検証した。中間解析時の腫瘍DNA・髄液DNAの遺伝子変異検出結果の一致率は 73.3% ( 11例/15例 )であった。
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