研究課題/領域番号 |
21K09167
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
藤田 貢 近畿大学, 医学部, 准教授 (40609997)
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研究分担者 |
山下 公大 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (80535427)
中田 晋 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (80590695)
宮武 伸一 大阪医科薬科大学, 医学部, 特別職務担当教員(教授) (90209916)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | グリオーマ / 放射線脳壊死 / マクロファージ / 免疫抑制性分子 / 腸内細菌叢 / 慢性炎症 |
研究成果の概要 |
放射線療法の発展により悪性脳腫瘍グリオーマの生存期間が延長する一方、遅発性脳放射線壊死が問題となっている。研究では、放射線脳壊死マウスモデルを用いてM2マクロファージの集積と免疫抑制性分子の発現増加を確認し、これらが脳浮腫に関与することを明らかにした。また次世代シークエンサーを用いた腸内細菌叢解析により、クロストリジア目が脳放射線壊死に関連する免疫応答の強度と相関することを示した。さらにM2マクロファージを除去することでマウスの生存日数が延長することを確認した。これらの結果から、脳放射線壊死の悪化にはM2マクロファージと腸内細菌が関与していることが示唆された。
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自由記述の分野 |
脳腫瘍
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的には、放射線脳壊死の病態におけるM2マクロファージの役割を詳細に解明し、これらの細胞が免疫抑制性分子の発現を通じて脳浮腫の進行に寄与することを示した点が重要である。また腸内細菌叢の解析により、クロストリジア目が免疫応答の強度と相関することを明らかにし、腸内細菌が脳放射線壊死に与える影響を示唆した。社会的意義としては、M2マクロファージの除去がマウスの生存期間を延長することを確認し、新たな治療法の開発に向けた基盤を提供した点が挙げられる。これにより、放射線治療を受ける患者のQOL(生活の質)向上や治療効果の最大化が期待される。
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