研究課題
基盤研究(C)
本研究では骨組織がメカニカルストレスに応じた柔軟な形態変化を起こす事に着目し、骨形態を任意に制御可能な骨再生技術の開発を視野に骨組織ストレス応答メカニズムの解明を試みた。メカニカルストレス刺激が間葉系幹細胞に与える影響を調べた結果、線維芽細胞増殖因子2 (FGF2)の発現誘導を介した間葉系幹細胞の増殖が骨形成を間接的に促進することを明らかにした。また、ストレス伝達への関与が示唆される細胞骨格関連因子の遺伝子破壊マウスを作出したところ、骨形成の低下を伴う骨量減少を示す事が明らかとなった。
骨代謝学
超高齢化社会を迎えた我が国では寝たきりなどメカニカルストレスの低下に伴う骨量減少が問題となっており、新たな予防・治療法の開発の基盤となるメカニカルストレス作用機構の理解が重要である。本研究では骨形成促進にはたらく新規メカニカルストレス応答分子の特定に成功したほか、新規メカニカルストレス伝達候補分子の同定にも成功しており。さらなる研究の発展によりこれら分子を基軸とした新規予防・治療法の開発が期待できる。