研究課題
高齢者の労働現場に占める割合は年々高まっており転倒災害も増加している。本研究では以下のことを実施した。1)筋力強化とバランス訓練の介入:某企業にて介入研究を行った。バランス運動のみ群、バランス運動+ストレッチ群、バランス運動+体幹筋力トレ群と運動なし群(対照群)として2ヶ月間実施し、バランス+筋トレ群でバランス機能の評価項目が有意に改善した。2)生活習慣要因と体幹筋面積変化量の縦断調査:男性勤労者1504名を対象にCTでの10年後の体幹筋面積の変化率を調査したところ、10年後の大腰筋面積変化率には年齢、内臓脂肪面積、HbA1cが有意に負の相関を示し、脊柱起立筋面積変化率には年齢が有意に負の相関を、%肺活量が正の相関を示した。さらに、メタボの群に限定すると、大腰筋面積変化率には肺1秒率が有意に正の相関を示した。3)体幹筋面積の変化と腰痛の縦断調査:初回時と10年後にCTによる内臓脂肪面積測定と腰痛問診を受けた男性勤労者1459名を対象とし、内臓脂肪面積、体幹筋面積の10年間の変化と腰痛との関連を解析。10年後の腰痛発症の抑制因子として900kcal/週以上の運動が挙げられた。また、座位作業者以外の516名でのサブ解析では、大腰筋面積が小さく、かつ減少量が大きいことが10年後の腰痛の危険因子であった。4)10年後の体幹筋面積の変化と転倒:勤労者1084名で転倒調査をしたところ、300kcal/週未満は転倒の危険因子であり、デスクワーカーでは大腰筋面積が小さく、かつ減少量が大きいことが転倒の危険因子であった。5)姿勢と腰痛との関連:我々が開発したインソール型足圧測定装置を用いて、業務中に立位を拘束されている人のみを抽出し腰部コルセットの有用性を検証したところ,コルセット装着時には腰痛の初回出現時間は延長し,全腰痛回数,腰痛頻度が減少したことがわかった。
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