本研究の目的は変形性膝関節症(OA)に対するレントゲン検査の意義を地域住民コホートと独自開発したMRI3次元解析を用いて明らかにすることである。まず、膝立位正面レントゲン像での伸展位と屈曲位の内側裂隙幅の差がMRIデータの軟骨厚さと内側半月板逸脱幅(MME)のどちらとより相関するかを比較し、内側裂隙幅の差は軟骨厚よりもMMEに強く影響されることを示した。次に膝伸展位立位正面レントゲン像の骨棘幅と裂隙幅の意義を検討し、骨棘幅がMMEを、裂隙幅が軟骨厚を反映することを示した。更にOAにおける軟骨厚を解析し、KL 1度ですでに特定のサブ領域で軟骨厚が減少し、KL2度で一層進行することが明らかにした。
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