研究課題/領域番号 |
21K09418
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
佐々木 豪 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (20644941)
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研究分担者 |
加藤 学 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (60626117)
井上 貴博 三重大学, 医学系研究科, 教授 (80511881)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 前立腺癌 / 線維芽細胞 / 癌抑制 |
研究実績の概要 |
前立腺癌は去勢抵抗性前立腺癌 (Castration-resistant prostate cancer; CRPC) に進展すると、治療は困難を極め致命的となるため、メカニズムの解明は喫緊の課題である。これまで多くの研究により、癌関連線維芽細胞 (Cancer associated fibroblasts: CAFs) が癌の腫瘍形成を促進することが明らかにされてきた。一方、最近の研究により癌抑制性CAFsの存在が示唆された。前立腺癌においてもCAFsの不均一な性状がCRPCの進展に関与する一方で、癌抑制性CAFsの存在が示唆された。本年度の研究では、初代培養で樹立した多数症例の前立腺癌CAFsパネルを用い、癌促進性CAFsと癌抑制性CAFsの性状を決定する因子の同定を試みることを目的とした。 三重大学倫理委員会承認のもと、前立腺癌患者の前立腺生検組織から前立腺癌CAFsの初代培養を行った。得られた複数の前立腺癌CAFsとアンドロゲン感受性前立腺癌細胞(LNCaP)との混合マウス移植モデルを作製した。多くの研究は癌促進性CAFsに着目している一方で、初年度の混合マウス移植モデルにおいて、癌抑制性の性質を示すCAFsを確認することができた。今後は、初年度に得られた癌抑制性を示す前立腺癌関連線維芽細胞に特徴的な分子マーカーの探索をin vitroで行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、初代培養で得られた前立腺癌関連線維芽細胞とアンドロゲン感受性前立腺癌細胞(LNCaP)との混合マウス移植モデルにおいて、癌抑制性の前立腺癌関連線維芽細胞の存在が示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、初年度に得られた癌抑制性を示す前立腺癌関連線維芽細胞に特徴的な分子マーカーの探索をin vitroで行う。
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