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2021 年度 実施状況報告書

婦人科がんに対するB細胞免疫の解明と新たな診断・治療戦略の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K09541
研究機関京都大学

研究代表者

濱西 潤三  京都大学, 医学研究科, 准教授 (80378736)

研究分担者 滝 真奈  京都大学, 医学研究科, 助教 (20898077)
吉富 啓之  京都大学, 医学研究科, 准教授 (50402920)
茶本 健司  京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (50447041)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード婦人科腫瘍学 / 腫瘍免疫 / B細胞性免疫
研究実績の概要

当科および共同研究者にて標準治療を行った卵巣癌患者と子宮体癌患者の腫瘍および血液検体を用いて、オミックス解析(ゲノム、RNAシークエンス、T/B細胞レパトア解析、サイトカインアレイ、免疫細胞分画解析など)を行い、治療効果や長期予後に関連する因子を探索し、さらに、婦人科癌におけるB細胞性免疫解析として、腫瘍組織中のB細胞の分化マーカーや形質細胞およびPD-1や活性化マーカーを免疫染色により腫瘍内分布や浸潤数を評価し、治療効果や生存解析による予後との相関をみた。これらの成果は、Cancer Immunology Immunotherapy誌(2021年9月23日)に報告し、またオミックス解析(ゲノム、RNAシークエンス、T/B細胞レパトア解析、サイトカインアレイ、免疫細胞分画解析など)のうち、 リンパ球レパトア解析による婦人科腫瘍におけるB細胞性免疫の多様性の意義については、2022年米国がん学会にて報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当科および共同研究者にて標準治療を行った卵巣癌患者と子宮体癌患者の腫瘍および血液検体を用いて、オミックス解析(ゲノム、RNAシークエンス、T/B細胞レパトア解析、サイトカインアレイ、免疫細胞分画解析など)を行い、治療効果や長期予後に関連する因子を探索した。この際に3次元培養組織やPDX(免疫不全マウスへの異種移植)モデルによるがん細胞保存を作成し、冷凍保存した。
さらに、婦人科癌におけるB細胞性免疫解析として、腫瘍組織中のB細胞の分化マーカーや形質細胞およびPD-1や活性化マーカーを免疫染色により腫瘍内分布や浸潤数を評価し、治療効果や生存解析による予後との相関をみた。またさらに当科の卵巣癌と子宮体癌の既存のRNA発現アレイデーターアーカイブやTCGAデーターベースからB細胞に関連する予後因子について比較する準備を始めている。さらに腫瘍内に浸潤したB細胞レパトア解析を行い、治療効果や長期予後に関連するレパトア(クローン性の)変化を抽出した。

今後の研究の推進方策

婦人科癌におけるB細胞性免疫応答の臨床検体を用いた意義の解明とともに、細菌叢解析について、すでに当科で採取しているあるいはこれから採取する腟細菌叢検査のメタゲノム解析を行い、それぞれ治療効果や進行期や予後に相関する特定の細菌叢や特定の機能を持つメタボライト(代謝産物)候補遺伝子を抽出する。さらにこれらの遺伝子と前述の因子との間の相関性を確認するとともに両者を統合しより精度の高い予後マーカーの抽出を試みる。さら担癌マウスの同種同系モデルを用いてB細胞機能阻害抗体や、B細胞のクラススイッチ調整遺伝子AIDノックアウトマウスへの同細胞株投与による抗腫瘍効果の減弱などを確認するあるいは、特定のB細胞機能に関わる遺伝子のノックアウト細胞株を作成し、同様に抗腫瘍能を検証する。最後に、摂食細菌叢の変更やマウスモデルへのPD-1経路阻害薬(抗PD-1抗体あるいは抗PD-L1抗体)併用による抗腫瘍増感作用(相乗効果)を検証し、既存の免疫治療への増感作用を評価する。

次年度使用額が生じた理由

予定していたマウス実験の一部を次年度に行うことにした為。マウス購入費、試薬代として使用する。

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公開日: 2022-12-28  

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