研究課題/領域番号 |
21K09667
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
村田 美幸 北海道大学, 医学研究院, 助教 (50423752)
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研究分担者 |
野田 航介 北海道大学, 医学研究院, 客員教授 (90296666)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 糖尿病網膜症 / アクロレイン / MCP-1 |
研究成果の概要 |
糖尿病網膜症は重篤な視機能障害をきたすため、その病態の解明は眼科学における重要な課題である。我々は過去に、増殖糖尿病網膜症患者の線維血管組織において網膜グリア細胞に不飽和アルデヒドの一種であるアクロレインが結合した蛋白が蓄積していることを報告した。アクロインは反応性が高く、神経変性疾患や悪性腫瘍など多様な疾患病態で注目されている分子である。本研究では糖尿病網膜症におけるアクロレインの炎症誘導機構について検討をおこない、アクロレインが網膜グリア細胞において分子Aを介してMCP-1の発現を誘導し、マクロファージの遊走を促進させることが明らかになり、糖尿病網膜症の新たな病態形成機序が示された。
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自由記述の分野 |
網膜細胞生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病患者は全世界で急速に増加しており、その罹病期間と糖尿病網膜症の発症率は正の相関を有するため、高齢化の一途をたどる現代において糖尿病網膜症患者数が今後飛躍的に増加すると考えられる。その病態の解明は眼科学における重要な課題である。本研究により、糖尿病網膜症眼内で増加するアクロレインが分子Aを介してMCP-1を誘導し、マクロファージの遊走を促すことが明らかになった。本研究結果は糖尿病網膜症の新たな病態形成機序を示すものであり、アクロレインが新規治療標的なる可能性を示す重要な成果である。
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