研究課題/領域番号 |
21K09703
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
井上 俊洋 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (00317025)
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研究分担者 |
井上 みゆき 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 医学教育部研究員 (20631766)
藤本 智和 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (50756426)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 緑内障 / 創傷治癒 / エピゲノム |
研究成果の概要 |
緑内障の再手術成績が悪いことにエピゲノム変化が関与しているという仮説について検証した。濾過手術の動物モデルにおいて、多くのエピゲノム関連因子が動いており、抗メチル化H3K9抗体を用いたChip-qPCRにて術中に使用するマイトマイシンCも線維芽細胞にエピゲノム変化を誘導し、c-Mycなど細胞増殖因子の発現を制御していることがわかった。術後組織のシングルセル RNAシークエンスで同定されたヒストン脱メチル化酵素について検証を進めた結果、結膜線維芽細胞においてH3K4脱メチル化を触媒するKdm1Aの阻害剤S2101で刺激すると、セリン-グリシン代謝経路酵素とともに線維化マーカーの発現も抑制された。
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自由記述の分野 |
眼科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
線維化とエピゲノム変化について研究が進んでいるが、今のところ、線維化に関連したメモリー効果は、緑内障領域のみならず、他臓器でも報告されていない。本研究では緑内障手術動物モデルにより変化のあった線維芽細胞クラスターにおいて、ヒストン脱メチル化酵素であるKdm1Aの線維化抑制効果が同定され、新たな治療ターゲットとなることが示唆された。緑内障の再手術症例の成績を向上させるための新規薬物治療を探索する上で、手がかりとなる成果を得られた。緑内障治療の結果を左右する線維化のメカニズムの一部を明らかにしたことによって、緑内障による失明を克服することにつながると考えられる。
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