研究課題/領域番号 |
21K09840
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
越川 直彦 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (70334282)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ラミニン / 融合遺伝子 / 頭頸部癌 / 浸潤・転移 / 発癌 / がん細胞パネル / トタンスジェニックマウス |
研究実績の概要 |
本年度、複数の扁平上皮細胞を含む培養がんパネル細胞を用いてLAMC2-NR6A1融合遺伝子、蛋白質(Lm-γ2F)のmRNA発現、蛋白質の産生を臓器横断的に検証し、複数のがん細胞において遺伝子発現、蛋白質の産生を確認した。 次に、ヒト型Lm-γ2Fをコンディショナルに発現可能なCre-loxPシステムを用いたヒトLm-γ2Fコンディショナルノックイントランスジェニックマウス(Lm-γ2F-cKI TGマウス)を作製中である。現在、Lm-γ2F-cKI TGマウスのヘテロマウスの誕生を確認し、ホモ個体の繁殖を継続している。 本年度、コロナ感染症の影響により、Lm-γ2F-cKI TGマウス作製に必要な試薬等の納品が大幅に遅れたことで、当初の予定よりも実験に使用できるマウスの調整が遅れている。一方、がん細胞パネルを用いたLm-γ2F遺伝子、蛋白質の発現スクリーニングは順調に進んだ。今後、Lm-γ2Fに対する特異抗体の性状を検証し、臓器横断的な癌腫スクリーニングを進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コンディショナルノックインマウスの作製はコロナ感染症の研究資材の納品が大幅に遅れ当初の予定よりも半年程度の遅れが生じている。現在、Lm-γ2F-cKI TGマウスのヘテロマウスが誕生しているので、今後、繁殖を効率的に進めることでコロナ感染症による遅れを挽回する。一方、がん細胞パネルを用いたLm-γ2F遺伝子、蛋白質の発現スクリーニングは順調に進んだ。特定の癌腫にLm-γ2F蛋白質の産生、分泌を確認した。
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今後の研究の推進方策 |
コンディショナルノックインマウスから胎児線維芽細胞を樹立して、Cre-loxPによるLm-γ2Fの発現誘導を試みる。本研究ではアデノ随伴ウイルス6(AAV-6)によるin vivo、in vitroでの誘導実験を予定しているため、そのウイルス作製を開始する。Lm-γ2F特異抗体の作製とそれら抗体の性能評価をLm-γ2F陽性の培養細胞を用いて開始し、臓器横断的な癌腫スクリーニングを進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症によるトランスジェニックマウス作製に遅延が生じたため、マウス関連の実験費として計上した研究費を次年度に使用するため
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