研究課題/領域番号 |
21K09922
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高井 英樹 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (30453898)
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研究分担者 |
小方 頼昌 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (90204065)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | miRNA / 転写因子 / 分化誘導 |
研究実績の概要 |
歯周治療中に抜歯となった歯の歯根膜を採取し、ヒト歯根膜線維芽細胞(HPDL)を 抽出し、10%ウシ胎児血清(FBS)および1%ペニシリン-ストレプトマイシンを含むDMEMを用いて継代3~6までHPDLを培養した。また、歯周組織構成細胞(特に歯肉線維芽細胞(HGF)および歯根膜線維芽細胞(HPDL))で骨芽細胞より優位に発現しているTwist2およびKlf12の3'-UTRに結合するmiRNAを公開データベースのTargetScanにて検索し、両遺伝子の3'-UTRに結合するmirRNAはmir141および200aであることを確認した。次に、mi141および200aが結合するTwist2およびKlf12の3'-UTR をPGL3 promoterルシフェラーゼプラスミドに挿入し、シークエンス解析を行い、正しい配列が挿入されたか確認した。正しい配列が挿入されたルシフェラーゼプラスミドを挿入したHPDLはmi141または200aを細胞内に4時間導入後、10%FBSを含むDMEMで68時間細胞培養し回収後にルシフェラーゼ活性を計測すると活性は抑制された。さらに、HPDLを様々な大きさのディッシュに播種し、mir141または200aを細胞内に4時間導入後、10%FBSを含むDMEMで68時間細胞培養したHPDLを回収し、全RNAおよびタンパク質を抽出し、間葉系細胞に発現する転写因子RNAおよびタンパク質量をReal-time PCRおよびWestern Blotにて検索を行った結果、Twist2およびKlf12 mRNAおよびタンパク質量を減少させ、Sox5、Sox6およびTrips1 mRNAを増加させ、Sox5およびSox6タンパク質を増加させた。さらに、mir141または200aを過剰発現させた細胞で、軟骨分化マーカーのACAN mRNAの増加および線維化マーカーのCOL1A1 mRNAの減少を引き起こし、細胞はアルシアンブルー染色で青く染色された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯肉線維芽細胞(HGF)および歯根膜線維芽細胞(HPDL)の継代培養に成功し、研究を完了するのに十分な細胞を確保できた。また、Twist2およびKlf12に結合するmirを検索し、mir141と200aであることを確認でき、Twist2およびKlf12の 3'UTRを含んだルシフェラーゼプラスミドを作製に成功し、ルシフェラーゼアッセイを行い、ルシフェラーゼ活性の抑制を認めた。mir141または200aを細胞内に4時間導入後、10%FBSを含むDMEMで68時間細胞培養したHPDLから抽出した全RNAおよびタンパク質を用いて間葉系細胞に発現する転写因子の発現について検索し、Twist2およびKlf12の発現量の抑制およびSox5およびSox6の発現量の増加を確認できた。さらに、mir141または200aを過剰発現させた細胞で、軟骨分化マーカーであるACAN mRNAの増加させ、細胞はアルシアンブルー染色で青く染色されたため、HPDLを軟骨細胞様細胞に分化誘導させた。
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今後の研究の推進方策 |
歯肉線維芽細胞(HGF)を10%ウシ胎児血清(FBS)および1%ペニシリン-ストレプトマイシンを含むDMEMを用いて継代3~6まで培養し、歯周組織構成細胞で高発現しているTwist2、Klf12およびPax9をsiRNAにて抑制することで、HGFがどのような性質の細胞に分化誘導されるか解析する。さらに、HGFがsiRNAにより分化誘導された細胞で重要なmirの中でTwist2、Klf12またはPax9をターゲットとするmirをTargetScanにて検索する。検索されたmirを作用させることによりHGFがどのような性質の細胞に分化誘導されるか解析する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は今後の研究に必要なプラスミド作製を行わなかったため、プライマーなどの試薬購入のための研究費に余りが生じた。次年度はこれらの研究費も使用して、mir過剰発現による歯肉線維芽細胞の分化・誘導に関する研究を行うためのプラスミド、プライマーなどの試薬を購入する。
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