本研究では,ニッケル(Ni)アレルギー誘発マウス耳介皮膚組織およびNiCl2刺激マウスケラチノサイトにおいて,Sema3Aの発現が上昇することを明らかにした.さらに,Sema3AはケラチノサイトにおけるTNF-αの産生とMAPキナーゼの活性化を制御していた.ケラチノサイトのSema3Aを特異的に欠失させると,樹状細胞やT細胞等の免疫細胞の浸潤には影響しなかったが,浮腫と耳介腫脹量が減弱した.この結果は,Sema3Aが金属アレルギーの症状を増強することを示しており,Sema3Aが金属アレルギーの予防と治療のための潜在的なターゲットとなる可能性を示唆している.
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