研究課題/領域番号 |
21K10215
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
赤羽 たけみ 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (70423910)
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研究分担者 |
仲川 洋介 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00714875)
鍛治 孝祐 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20623490)
赤羽 学 国立保健医療科学院, その他部局等, 部長 (40326327)
吉治 仁志 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40336855)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 歯周病 / 口腔状態 / 残歯数 / 肝硬変 / 内毒素 |
研究実績の概要 |
本研究は、歯周病治療が肝疾患の病態進展抑制に貢献する可能性を判断するために、「歯周病が慢性肝疾患の病態に及ぼす影響を明らかにすること」を目的としている。初年度である2021年度は、本学の「医の倫理審査委員会」の承認を得て臨床研究を開始し、症例登録とbaselineデータの収集を行った。登録した症例のBaselineデータとして、肝機能など肝病態を示すデータ、肝硬変の合併症、肝病態進展に関連している血中内毒素活性、歯周病の状態、歯周病菌感染を調べるためのPCR-invader法による歯周病関連菌の定量結果を得た。2022年度は、症例登録数が目標症例数に達していないため、さらに症例登録数を増やしbaselineデータの収集を行った。得られたbaselineのデータを基に横断研究の解析を行ったところ、肝硬変患者において、肝硬変の重症度が高い患者、肝硬変の合併症である腹水や肝性脳症を有している患者の方が有意に残歯数が少なかった。また、エンドトキシン活性が高い患者の方が残歯数が少ない傾向にあることが分かった。2023年度は、症例登録数が目標症例数に達していないため、さらに症例登録数を増やしbaselineデータの収集を行い、統計解析を行った。肝硬変患者において、残歯数が20本未満の肝硬変患者は、20本以上の患者に比べて、血清アルブミン値およびプロトロンビン活性値が有意に低値であった。さらに、前向き研究では、累積生存率との関連では、有意差は認めなかったが、残歯数が20本以下の患者の方が累積生存率が低い傾向にあり、残歯数が10本以下の患者も同様の結果であった。現在、歯周病菌感染との関連を解析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感染症流行のため、当初の予定より登録症例数が少なく研究期間を延長した。
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今後の研究の推進方策 |
現在登録された症例数での統計解析は可能であるが、登録症例数を今年度も増やす予定である。横断研究および前向き研究ともにデータ解析を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
登録症例数を増やすため、データ収集のための費用が必要である。
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