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2023 年度 実施状況報告書

Netrin-1とBMPのクロストークによるメラノーマの浸潤・転移制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K10260
研究機関九州歯科大学

研究代表者

本田 尚郁  九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10840085)

研究分担者 松原 琢磨  九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (00423137)
中道 敦子  九州歯科大学, 歯学部, 教授 (20567341)
松尾 拡  九州歯科大学, 歯学部, 教授 (70238971)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードメラノーマ / Netrin / BMP
研究実績の概要

Netrin-1はDCC, Unc5,DSCAMそして Neogeninなどの受容体と結合し,リガンドとして働く.悪性腫瘍においてNetrin-1と結合したDCCやUnc5は腫瘍細胞の悪性度を亢進すると言われる.一方で,DCCをコードする遺伝子の機能喪失変異が大腸がんをはじめとする多くの悪性腫瘍発生の誘因となることから,DCCはがん抑制因子としてみなされている事実がある.実際,メラノーマの原因となる遺伝子変異の中でDCCの機能喪失変異が3番目に多い.このようにリガンドであるNetrin-1と受容体のDCCではメラノーマ細胞の挙動において相反した作用を持つが,そのメカニズムの解明は不十分であり,さらに他のNterin-1受容体,すなわちDSCAMやNeoを対象とした研究も進んでいない.
BMPは当初骨形成タンパク質として発見されたが,近年BMPはSmad1/5シグナル伝達経路を介して上皮間葉転換により,メラノーマの骨浸潤を誘導することが報告された(Gao J et al., 2021).
われわれはこれまでに,Netrin-1の過剰発現でBMPの補助受容体としても知られるNeoの発現が上昇し,またNtrin-1の過剰発現はBMPが誘導するId-1のレポーター活性を濃度依存性に亢進させた.しかしながらこれまでに20種類近くのBMPが存在することから,どのBMPがメラノーマの悪性度に影響するかを同定する必要がある.そこで今年度は実際のメラノーマ患者の予後とメラノーマ組織における各種BMPの発現量との相関を調べた.すると,BMP4は,発現量が高い方ほど予後が悪く,逆にBMP3bに関しては発現が低い方ほど予後が悪いことがわかった.BMP2, BMP3, BMP5, BMP7, BMP9に関しては,メラノーマにほとんど発現がないか,もしくは発現量と生命予後と関連が認められなかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

期間の前半に育休をとり,研究期間が制限されたため.

今後の研究の推進方策

メラノーマに関連するBMPの種類も決まったことから,これにフォーカスして実験を進めていく.

次年度使用額が生じた理由

育休をとっていたことから,研究時間が制限され,予定よりも消耗品の購入が少なくなったため.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Factors affecting the number of bacteria in saliva and oral care methods for the recovery of bacteria in contaminated saliva after brushing: a randomized controlled trial2023

    • 著者名/発表者名
      Funahara Madoka、Yamaguchi Runa、Honda Hiromi、Matsuo Misaki、Fujii Wataru、Nakamichi Atsuko
    • 雑誌名

      BMC Oral Health

      巻: 23 ページ: -

    • DOI

      10.1186/s12903-023-03676-7

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 歯科衛生士国家試験受験後実施したアンケート調査からみる九州歯科大学口腔保健学科4年生の国試対策に対する意識2023

    • 著者名/発表者名
      園木 一男, 秋房 住郎, 藤井 航, 辻澤 利行, 中道 敦子, 山口 紫乃, 磯部 彩香, 本田 尚郁, 船原 まどか, 泉 繭依, 邵 仁浩
    • 雑誌名

      九州歯科学会雑誌

      巻: 77 ページ: 13-24

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2024-12-25  

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