研究課題/領域番号 |
21K10295
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
橘 とも子 国立保健医療科学院, その他部局等, 特任研究員 (40221387)
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研究分担者 |
小林 慎治 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (20423519)
江藤 亜紀子 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (50291125)
佐藤 眞一 千葉県衛生研究所, その他部局等, 技監 (60450920)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | モバイルデバイス / 在宅患者 / 災害支援プログラム / Webアンケート / 災害健康危機管理 / 情報送受信 / 障害健康分野 |
研究実績の概要 |
近年、慢性疾病患者の要ケア状態を抱えた人々への、災害時を見据えた「備え」のしくみが求められている。本研究では、災害への備えを行う地域のモデル作成支援に向けた基礎資料を得るため、災害支援プログラム(「講話編」「演習編」)を開発・実施し、匿名Web調査によるデータの有効性検証を行った。延べ回答者(N = 25)は、配偶者との同居(54.0%),54.0%が収入を伴う仕事を有しており、Web調査回答に問題はないものの、少なからぬ欠損値への効率的な支援策が必要と思われた。また「なじみのある情報通信電子機器」として回答「使っている」は、[(いわゆる)ガラケー携帯]40%,[アンドロイド(Galaxy)]70%,[iPhone(Apple)]41%,[スマートウォッチ]0%。災害の備え心配事項として「障害状況を周囲に理解してもらう」等が要望されていた。 A会場の講座・調査2回を終了し、調査者には「(半側空間無視などの)疾病特性に応じた配慮」が必要だが、障害健康分野の課題を抱える者の、モバイルデバイスを用いたデータ活用のユーザビリティは検証できた。さらに、パンデミックへの蔓延防止への配慮から参加者の減少やB会場での実施中止を確認し、データ駆動型社会のための、健康リスクを見据えたゼロベース実態調査の必要性を、具体的に確認し示すことができた。実態調査に係る「ゼロベースの方法論」としても、医療ビッグデータとの連結解析における有用性検証の必要性が示され、今後さらに、健康リスクを見据えた的確迅速な実態把握・伝達のためのデータ有用性検証が、自治体等の地域モデル作成のための基礎資料として必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
データ有用性を検証するフィールド調査によって、基礎資料を得るため、在宅患者・家族への2回の災害支援講座(「講座編」「演習編」)及び各回の調査実施を、近隣のA会場(公教施設)・B会場(医療機関)に設定した。A会場の講座及び調査2回は終了し回答を得た。調査者には「(半側空間無視などの)疾病特性に応じた配慮」が必要だが、障害健康分野の課題を抱える者の、モバイルデバイスを用いたデータ活用の有用性が検証できた。そのうえ、パンデミックへの蔓延防止への配慮から参加者の減少やB会場での実施中止を確認し、データ駆動型社会のための、健康リスクを見据えたゼロベース実態調査の必要性を、具体的に確認し示すことができた。実態調査に係る「ゼロベースの方法論」としても、医療ビッグデータとの連結解析における有用性検証まで示し得た点で、当初の計画以上に本研究テーマの有用性検証探索が進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
対面フィールド調査での匿名Web調査は、回答プロセスに大きな問題はなく、医療データ等との連結をデータ解析の視野に置くことで、パンデミックなど健康リスクを見据えたゼロベースの実態調査を、医療との役割分担で推進する方法論を今後は探る。感染症など様々な健康リスクを見据えた迅速的確な、実態把握や必要情報伝達のための発展的な方法論として、モバイルデバイスを用いたデータ活用の有用性検証をさらに進め、自治体の地域モデル作成のための基礎資料の充実を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度は、研究開始当初より、最終年度に自治体を中心に作成する地域モデルの基礎資料とする成果を得るための調査解析・公表のための物品費・その他の経費、ならびに地域モデル作成のための自治体の間接経費の支出を行うため、計画しておりました。これに、初年度にコロナ禍により加わった、ゼロベースの実態調査の方法論の要素をさらに加えるため、前年度持越し分に加えて次年度使用額が生じました。
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