研究課題/領域番号 |
21K10300
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
八木 邦公 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (30293343)
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研究分担者 |
敷田 幹文 高知工科大学, 情報学群, 教授 (80272996)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 心不全パンデミック / 電子聴診器 / クラウド / 機械学習 |
研究実績の概要 |
循環器の専門医で無い医師でも活用可能な電子聴診器の開発を進めている。ONKYOとの共同開発で、機器の形状、伝送システムを中心に検討を重ね、複数の特許を申請している。プロトタイプの2世代機器については、心音シミュレータを対象として検討を行い、典型的な弁膜症については診断能が高いことを確認することが出来ている。ただし非専門医がⅢ音Ⅳ音を容易に判別できるレベルにまでは達しておらず、まだ満足できるものではないため、鋭意第3世代プロトタイプの開発を進めているところである。並行してクラウド環境の構築も高知工科大学との共同研究を進めており、指導医Ⅰ名、診察医Ⅰ名、補助Ⅰ名の学内環境であれば十分なセキュリティーレベルを保ちつつ心音データを評価可能であることは検証できた。今後実臨床に適応可能な環境の構築を目指して検討を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ONKYOさんとの共同開発の電子聴診器のシステムの開発がややや遅れている。特に低音領域の分解能を高め、心電図同期や2箇所からの同時進行での聴診情報取得を行うことで、収縮期―拡張期の判別の正確性を高め、Ⅲ音Ⅳ音の判別能を中心として性能を更に高めたプロトタイプの開発を進める必要があり、今後も検討を進める。
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今後の研究の推進方策 |
現在の検討を更に進める。まず電子聴診器の開発については、上記に示した課題をクリアすべくプロトタイプの開発を進める。クラウド環境の構築については、関わる人員が今後20名程度まで増えたとしてもセキュリティーレベルを下げないで済むことを目標に開発をすすめる。加えてクラウドに蓄積された音声データを機械学習により、まず心音所見として判別できる環境の開発を目指す。その上でまずはシミュレータでのトライアルで心不全リスクを判断できることを目標とし、最終的には実臨床の症例での検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
電子聴診器の開発の遅れが影響して、クラウドのセキュリティーレベルを上げる検討が進まなかった分、機材への支出が抑えられたためと考えられた。今後電子聴診器の開発の進行に伴い、並行してクラウド構築、機械学習システムの構築を進めていく。
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