研究課題/領域番号 |
21K10392
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
唐島 成宙 金沢大学, GS教育系, 准教授 (30801584)
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研究分担者 |
南保 英孝 金沢大学, 電子情報通信学系, 准教授 (30322118)
大坂 一生 富山県立大学, 工学部, 准教授 (90550244)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ステロイド / 腸内細菌 / 高血圧 |
研究実績の概要 |
金沢大学公衆衛生学教室が行っている志賀町研究に、2017年、2019年に参加し腸内細菌研究に同意した約500名の一般住民に16SrRNA法による細菌叢解析を実施した。また、塩分摂取量と血圧値より選定した一般住民60名のヒト糞便検体に対しては、メタゲノム解析を行い、網羅的な腸内細菌種情報、代謝酵素遺伝子情報を入手した。腸内細菌叢情報と高血圧症、脂質異常、糖尿病、肥満症、慢性腎臓病、高尿酸血症などの複数の生活習慣病や自己免疫性疾患や食習慣との腸内細菌(細菌門、属、種レベル)と腸内細菌が保有している代謝酵素遺伝子とそのパスウェイとの関係を検討した。 我々は、従来の統計学的な手法に加えて、因果推論手法を追加し、生活習慣病との原因と結果を推測された具体的な関係を評価することができた。これらの研究成果の一部は、2022年度に国内外の学会や、学術雑誌に論文として発表した(Front Cell Infect Microbiol. 2022)。また、血液中、糞便中のステロイドホルモンやアミノ酸、モノアミンなどの代謝物の濃度を質量分析計を用いて測定し、塩感受性血圧制御ネットワークに関連の強い代謝経路を複数、特定した。現在は、人工知能技術からアプローチを行い、これらのデータの結果のロバスト性を確認している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高血圧、脂質異常症やそのほかの生活習慣病に関して、関連が強い腸内細菌種を特定することができ、また、糞便中のステロイドホルモンやアミノ酸などの代謝物の質量分析計を用いた網羅的な測定方法を確立し、網羅的な測定を実施することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
ヒトでの糞便由来の代謝物の血中への移行を評価・解析し、疾患発症への影響をより明確にする予定である。また、より有望な腸内細菌種に対しては、疾患モデル動物への移植実験を行い、病態形成の再現実験まで進めたい
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度内に質量分析計に用いる標準物質や試薬などが、消耗し新しい試薬の購入するために予算が計上されていたが、年度内に消費しきることはなかったため、物品費として使用されなかった。来年度以降にも消耗品を使用するため、次年度以降の予定通り物品費として執行が予定される。
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