研究課題/領域番号 |
21K10445
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松崎 慶一 京都大学, 環境安全保健機構, 助教 (20709315)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | IgA腎症 / レジストリー / 診療実態調査 |
研究実績の概要 |
乳児期から老年期までのあらゆる世代において健康診断が行われる我が国において、健診 が疾患の早期発見・早期治療に果たす役割は大きい。特に発達した検尿システムは自覚症状 に乏しい腎疾患、特にIgA腎症の早期発見・早期治療に大きな意義を持つ。IgA腎症を疾患の自然史の中で捉え、個人の特性に合わせた治療を行うためには、健康診断から疾患までを一塊に捉えたデータからのエビデンスが必要と考えられるが、健康診断などのデータと病院におけるデータの連携はほとんど行われていない。本研究では、健康診断などの「疾病予防フェーズ」と疾患レジストリなどの「疾病フェーズ」の2つのフェーズのデータベースを統合した「IgA腎症データウェアハウス」を構築し、診療実態調査や臨床経過モデルの構築、医療経済評価などに資するエビデンスの創出と、個人の特性に合わせた医療(プレシジョン・メディシン)が可能となるシステムへの発展を目指す。 令和3年度は疾病フェーズのサンプルデータとしてIgA腎症に関連するレセプトデータのハンドリング・解析を行い、レセプトデータの特性や解析における留意点などを確認した。同時に、IgA腎症の年齢・性別分布や処方傾向などを確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は疾病フェーズのサンプルデータとしてIgA腎症に関連するレセプトデータのハンドリング・解析を行い、レセプトデータの特性や解析における留意点などを確認した。同時に、IgA腎症の年齢・性別分布や処方傾向などを確認した。また、World Congress of Nephrology 2022に参加し、国内外の研究者との議論をおこなった。一方、疾病予防フェーズにおけるデータ収集は遅れており、IgA腎症データウェアハウスの構築は遅れている.このため、本年度は「やや遅れている」と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度の成果として、IgA腎症におけるレセプトデータ(疾病フェーズ)のデータ傾向などが明らかになった。令和4年度は疾病予防フェーズ、疾病フェーズのいずれにおいても試験的にデータ収集を行い、IgA腎症データウェアハウスのデータ構造を確定させる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大および学会形式のオンライン化に伴い、国際学会参加にかかる旅費が計上できなかったため。
|