研究課題/領域番号 |
21K10492
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
名西 恵子 (大塚恵子) 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (40570304)
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研究分担者 |
菊地 君与 九州大学, 医学研究院, 講師 (40644737)
安岡 潤子 東京農工大学, 農学部, 特任教授 (90451773)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | コミュニティー・ヘルス・ワーカー / カンボジア / ビレッジ・マラリア・ワーカー / 乳幼児栄養 / スーパービジョン |
研究実績の概要 |
2021年にWHOとUNIEFは、コミュニティーレベルで、乳幼児の栄養方法がどの程度適切であるかを測定するための17の指標を発表した。これらの指標は、コミュニティにおいて横断的データ収集によって栄養方法の適切性を評価できるため、今回の研究に用いる予定である。一方で、測定の簡便性に伴う限界も考えられた。そこで、われわれは2021年7月から8月にかけ て日本でオンラインにて収集した4247組の母子のデータを分析した。分析の結果、17の指標のうちの一つであるExclusive breastfeeding under six months (調査24時間以内に母乳のみを与えられた六ヶ月未満児の割合)を単独で用いるとWHOや多くの保健機関が推奨する公衆衛生上の目標である「生後6か月間の母乳の みでの育児」の到達度を過大に評価し、出産直後の母乳育児支援の効果を過小に評価する可能性があることがわかった。この研究結果は2023年5月の8th Academy of Breastfeeding Medicine/European Association of Breastfeeding Medicine European Regional Conferenceで口演した他、BMJ Global Health誌上で研究論文として発表した。Exclusive breastfeeding under six monthsの弱点を補いうる別の指標について評価を進めた。また、1)へき地でのコミュニティー・ヘルス・ワーカーのスーパービジョン、モチベーションと職務への満足、2)へき地での乳幼児栄養の課題、3)カンボジアのビレッジ・マラリアワーカーがマラリアの迅速診断と治療以外に職務を広げうる可能性について、文献レビューを進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
プロジェクトのラオス側カウンターパートであった研究者が退職した為。調査地を新たに選定し、カンボジアで実施できるよう交渉し成立した。
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今後の研究の推進方策 |
調査に必要な準備は整っているため、2025年度はカンボジアにて横断研究を行い、結果を公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたラオスへき地におけるデータ収集を実施できなかったため。データ収集は、来年度カンボジアにて実施する。
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