回内位の前腕における皮神経と皮静脈の走行を調べ、皮神経の少ない領域を明らかにした。体表での基準線として、肘窩での上腕二頭筋腱外側縁と橈骨茎状突起を結ぶ線をPA、上腕骨外側上顆と橈骨茎状突起を結ぶ線をLA、上腕骨外側上顆と尺骨茎状突起を結ぶ線をDAと設定したうえで、安全に静脈穿刺が可能な部位として次の3か所を提案する。①肘窩の中央付近。②PA0%の位置とLA50%の位置とを結ぶ線の周辺。③DA66%の位置とLA100%の位置とを結ぶ線より遠位の領域。以上の領域には皮静脈が存在するが皮神経は少ないため、安全に静脈穿刺が可能と考えられる。
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