研究課題/領域番号 |
21K10550
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
塩見 理香 高知県立大学, 看護学部, 助教 (70758987)
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研究分担者 |
田井 雅子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (50381413)
畦地 博子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (80264985)
藤代 知美 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (60282464)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自閉症スペクトラム障害者 / 訪問看護 / 地域生活 |
研究実績の概要 |
7名の方に面接調査を実施した。その結果、13のカテゴリーが抽出された。 訪問看護師は、自閉症スペクトラム障害者の地域生活を支えるために【対象者が苦悩した体験や思考などを生育歴から探る】【対象者の特性をふまえた地域生活を継続するためのアセスメントを行う】ことで対象者の全体像を捉えることを実施していた。そして、【対象者の内なる思いを支える】ことで対象者の揺らぎを軽減させていた。【対象者が望む方向性を決定できるように支援する】では、対象者が納得して自己決定できるように支え、【対象者なりに営んでいる生活には介入しない】【対象者のこだわりから支障をきたす日常生活の改善を支援する】では、対象者の特性から生活に支障をきたす時に介入し、対象者の今までの生活パターンを大切にしながら関わっていた。【対象者の捉えを尊重しながら、他の視点を取り入れるように支援する】【他者との関係性を構築するために支援する】では、対象者の思考の幅を広げることができるように支援したり、他者の気持ちを考えることができるようにロールプレイの実施や心理的物理的距離の取り方などを一緒に考えたりしていた。成人期以降に診断された対象者は、就労体験をしている方も多く、再就職を望んでいたため【対象者の特性にあった就労支援】を実施していた。また、【今までできなかった体験を共に積み重ねる】では、学生時代にやり残した体験を訪問看護師とともに行う作業も実施していた。同居している【家族を支える】ことで家族の精神的な負担の軽減を図っていた。【危機を乗り越えるための方策を一緒に探る】では、タイムリーなクライシスプランを一緒に作成するだけではなく、必要時には訪問看護師が先回りして対策を行うこともしていた。そして、【二次障害の予防】を行うことで地域生活を継続できるように支援していた。 今後はプログラムの作成を行い、実施評価していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
成人期以降に診断された自閉症スペクトラム障害者へのインタビューは、研究の同意を得られず断念した。また、成人期以降に診断された自閉症スペクトラム障害者に訪問看護を実施している方からのインタビューも選定に時間を要した。そのため、インタビューの分析までしか行っておらず、自閉症スペクトラム障害者の地域生活を支えるための訪問看護ケアの教育プログラムの作成には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
訪問看護師のインタビューの分析を洗練化し、成人期以降に診断された自閉症スペクトラム障害者の地域生活を支えるための訪問看護ケアの教育プログラムの作成を行う。成人期以降に診断された自閉症スペクトラム障害者の訪問看護を実施しているまたは、これから実施する予定のある訪問看護ステーション、訪問看護室にて作成したプログラムを実施評価し、さらにプログラムを洗練化していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度は、自閉症スペクトラム障害者の地域生活を支える訪問看護ケアの教育プログラムを作成し、その冊子の印刷代を考えている。また、プログラムを実施した後、その評価のためにインタビューを実施する予定である。そのためテープ起こし代として使用を考えている。
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