研究課題/領域番号 |
21K10577
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
小野 博史 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (70707687)
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研究分担者 |
坂下 玲子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (40221999)
濱上 亜希子 兵庫県立大学, 看護学部, 講師 (70780485)
脇口 優希 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (90520982) [辞退]
本田 順子 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (50585057)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 言語化 / リフレクション / 看護実践 |
研究実績の概要 |
「看護実践の言語化のための対話的なリフレクション」のメソッドを用いたリフレクションがもたらす対話プロセスの構造と語り手のリフレクションを促進する聴き手の働きかけ要素について分析した結果、「協働作業の確認」「事例に関する理解のすり合わせ」「一緒に振り返る」「リフレクティング」「実践の意味の言語化」「終結」の6つの構造が明らかとなった。具体的には、語り手が語る前に「語り手と聴き手が協働する」という前提を共有することによって、一緒に振り返るという雰囲気を醸成し、聴き手が語り手のペースを崩さず、心理的安全性を保ちながら聴くことを通して、語り手の言葉を引き出し、効果的なタイミングでリフレクティングを活用することで、語り手に垂直の対話を促し、語り手が思い当たった大切なことをキャッチし、具体的な言葉にしていくというプロセスであった。また、これは語り手からリフレクションの「内容を聞き出す」というアプローチではなく、語り手のペースを尊重しながら語り手の「気づきを引き出す」というアプローチであった。 明らかになったリフレクションプロセスのさらなる検証を目的として、リフレクションのセッションを受けた研究参加者4名を対象として、セッションの動画を共有しながら上記のプロセスを聴き手と語り手の双方がどのように経験していたかについてのインタビュー調査を実施した。その結果、語り手の語りを「聞き切る」ことや語り手の物語を聴き手の言葉で語りなおすことの重要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床で活躍する看護師を調査対象としたデザインにおいて、新型コロナウイルス感染症の対策から、病院内での調査活動ができない期間が長くあり、調査スケジュールに大きな影響を与えた。
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今後の研究の推進方策 |
予定していた症例数には満たないながらも、丁寧な分析を通して研究目的としていたリフレクションプロセスの分析とリフレクションを効果的に引き出すために必要な要素を明らかとすることができた。 1年間の期間延長を通して、構築されたマニュアルの精錬を行うとともに、専門学会における交流セッションを通して、開発した院内研修プログラムの妥当性を評価していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症による対策の影響で、病院での調査計画に大きな遅れが生じた。1年間の調査期間の延長を行い、実践の言語化を目指した院内教育プログラムの開発を進めていく。
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