研究課題/領域番号 |
21K10754
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
大釜 徳政 創価大学, 看護学部, 教授 (50382247)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 放射線療法 / 高齢期口腔がん患者 / 認知機能低下 / 日内変動 / 有害事象 / 食事 |
研究実績の概要 |
2021年度は、放射線療法を受ける高齢期口腔がん患者を対象として、累積照射線量別の認知機能低下と日内変動、有害事象(味覚変化・口腔粘膜炎・口腔内乾燥)の単独あるいは複合症状の出現時期と変化プロセス、摂取する食事の食感・味付け・匂い・食形態・温度に対する官能評価、嗜好および摂取量の変化、個人特性(年齢、性別、義歯装着の有無、喫煙と飲酒歴の有無、教育年数) といった項目間の関係性を因果モデルとして構築することを目的として設定した。 まず、認知機能低下に伴う行動・心理と日内変動に関する他記式45項目5段階評定法ツールの内容妥当性および表面妥当性を検討し、当該ツールの一定の妥当性を認めた。 味覚変化・口腔粘膜炎・口腔内乾燥の複合症状の出現、食事の食感・味付け・匂い・食形態・温度に対する官能評価の低下を認める女性の高齢期患者、教育年数が放射線療法を受ける高齢期口腔がん患者の認知機能低下と関連する可能性が推察された。特に、朝、有害事象が強くなる場合に認知機能の低下の誘因となること、累積照射線量50Gy以内に味覚変化による味付けが感じにくくなる、50Gy以降に食事の食感・味付け・匂い・食形態・温度に対する官能評価が低下する場合に認知機能の日内変動が大きくなることも推察された。 今度は、どのような味覚変化が認知機能の低下と関連するのか、食感・味付け・匂い・食形態・温度のどのような組合わせの食事に対する官能評価の低下が認知機能の低下とその日内変動と因果関係を認めるのかについて調査を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
Covid19の影響で、対象者の選定に遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度以降は、Berelson, B. の内容分析を用いて、有害事象の症状と日内変動、食事の官能評価、嗜好と摂取量の変化、個人特性に関する記述を認知機能低下のリスク指標のアセスメント項目として抽出し、質問項目の類似性に沿って構成概念を命名する。抽出したアセスメント項目と構成概念についてテキストマイニングを用いて、有害事象(味覚変化・口腔粘膜炎・口腔内乾燥)の単独あるいは複合症状の出現時期と変化プロセス、摂取する食事の食感・味付け・匂い・食形態・温度に対する官能評価、嗜好および摂取量の変化、個人特性(年齢、性別、義歯装着の有無、喫煙と飲酒歴の有無、教育年数) といった項目間の因果モデルとの整合性を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
Covid19の影響で、対象者の確保とデータ収集が遅れているため、その交通費に余剰がでている。2022年度は、対象者へのデータ収集の機会を増やすため、これに係る交通費として使用する。
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