研究課題/領域番号 |
21K10779
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
富田 真佐子 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (10433608)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 遠隔看護 / 炎症性腸疾患 / ICT支援システム / セルフケア |
研究実績の概要 |
本研究では、炎症性腸疾患患者を対象に既に開発した支援アプリを活用し、オンライン診療とオンライン看護を組み合わせたセルフケア支援方法の確立を目指している。モデル事業として実践と評価を行い、報告書をまとめ提示する予定である。難治性の腸疾患である炎症性腸疾患は、消化器症状や全身症状が長期に続き再発を繰り返しやすい。働き世代に多く、生涯にわたって治療を要するが、薬物療法、食事・栄養療法を基本としたセルフケアにより十分に寛解維持が期待できる。研究者は、これまでの研究によって健康支援アプリを開発し公開している。オンライン看護を活用するための支援体制システムを構築し、実際にセルフケア支援を実践する。 オンライン看護支援の稼働に向けて①オンライン看護の研修の受講、②オンライン看護手順とマニュアルの作成、③オンライン看護内容の確立(看護師と患者が情報を共有し、患者が設定した行動目標<マイゴール>に向けた日々の健康行動<マイアクション>の施行状況と症状、 服薬状況や食事管理についての記録をもとに、日常生活上のアドバイスや情報提供を行う)、④ホームページの制作、⑤オンライン看護予約システムの導入、⑥診療との連携方法の構築、⑦オンライン看護支援の患者モニター募集を進めている。モデル事業を稼働したのちには、患者を中心としたオンラインでの診療医・看護師・薬局薬剤師との連携システムの構築へと展開していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
既に開発したセルフケア支援アプリを用いている患者からモニターを募集して進める予定であったが、アプリを継続することが難しく、途中で中断されるケースが多かった。また、製薬会社から類似したアプリが公開されていることもあり、個人で開発したアプリには限界を感じている。そこでアプリにはこだわらず、オンライン看護を主眼にセルフケア支援を確立していくことに力を入れていきたいと考える。そのための準備に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
第1段階のモデル事業として、通常のクリニックでの診療を受けている患者を対象に、診療とオンライン看護を組み合わせた支援から始める。医師からの研究参加の依頼、日程調整、オンライン面接時の病状の把握やマイゴールとマイアクションの設定方法、利用者の健康状態の情報共有ツール(開発したアプリは継続し、オンライン看護を効果的にすすめる上での簡便なWebシステムを追加)の制作、効果的な看護相談の実施方法、主治医との連携方法などの詳細を決定していく必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定より遅れているために、研究を実践するための物品購入や事業を遂行するためのシステム構築のための費用が発生しなかった。次年度は、これを進め早急の稼働を目指す
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